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当社グループ会社(株)トランスジェニックにおけるアルツハイマー病モデルマウスに関するライセンス契約締結のお知らせ



2017年06月20日
各位
株式会社新薬リサーチセンター
代表取締役社長 福永 健司
当社グループ会社(株)トランスジェニックにおける
アルツハイマー病モデルマウスに関するライセンス契約締結のお知らせ
当社のグループ会社である株式会社トランスジェニック(代表取締役社長:福永健司、福岡市)において、公立大学法人 大阪市立大学(学長:荒川哲男、大阪市) 森 啓 特任教授らが開発したアルツハイマー病※1モデルマウスとしてのAPPOSK マウスおよび野生型TAU※2トランスジェニックマウスについて、大阪市立大学及び森 啓 特任教授とライセンス契約を本日締結いたしましたので、お知らせいたします。本契約によりトランスジェニックは、全世界においてアルツハイマー病モデルマウスの生産および販売サービスの提供を開始いたします。

 このたび、ライセンス契約しましたAPPOSK マウスは、森 啓 特任教授らが家族性アルツハイマー病患者から見出したアミロイドβ前駆体タンパク質(APP)の遺伝子変異をもつアミロイドβを導入したトランスジェニックマウスです。このAPPOSK マウスは、アミロイドβ(Aβ)オリゴマーが形成され、アルツハイマーに特徴的な加齢に伴った認知機能障害、シナプス欠損、ニューロン消失、TAU の異常リン酸化が認められます。
 さらに、APPOSK マウスにヒト野生型TAU トランスジェニックマウスを交配すると、APPOSK マウスで見られた症状に加えて、ヒトアルツハイマー病に特徴的な神経原線維変化※3 が見られるようになり、また症状の発症も早くなることが示されています。これらのマウスは、Aβオリゴマーによるアルツハイマー発症の病態とそれをターゲットとする治療法の研究、創薬研究に貢献することが期待されます。

 このたびのアルツハイマー病モデルマウスの導入は、当社のCRO 事業セグメントにおける中枢神経系領域非臨床試験の需要に応えるものであり、また、同モデルマウスの活用を通じた他社・他研究所との共同開発も視野に入れることで、当社グループのジェノミクス事業及びCRO 事業セグメントの成長戦略を推進してまいります。

<参考文献>
・J. Neurosci. 30, 4845-4856 (2010)
A mouse model of amyloid β oligomers: Their contribution to synaptic alteration, abnormal Tau phosphorylation, glial activation, and neuronal loss in vivo.
Tomiyama, T., Matsuyama, S., Iso, H., Umeda, T., Takuma, H., Ohnishi, K., Ishibashi, K., Teraoka, R., Sakama, N., Yamashita, T., Nishitsuji, K., Ito, K., Shimada, H., Lambert, M.P., Klein, W.L. and Mori, H.


・Acta Neuropathol. 5, 685-698 (2014).
Neurofibrillary tangle formation by introducing wild-type human tau into APP transgenic mice.
Umeda, T., Maekawa, S., Kimura, T., Takashima, A., Tomiyama, T. and Mori, H.


◆ご参考
※1 アルツハイマー病
アルツハイマー病は、記憶、認識、判断などの認知機能低下を主な症状とする認知症の原因疾患の一つです。高齢者人口の増加とともに認知症患者も増加し、我が国においては2025 年に700 万人まで増加するとされており(内閣府)、その原因としてアルツハイマー病は、もっとも割合の多い疾患です。現在日本では6割以上、世界的な調査でも約7割がアルツハイマー病と言われています。 アルツハイマー病の発症には、さまざまな要因があるとされますが、脳の中にアミロイドβと呼ばれるタンパク質が蓄積することが原因の一つとされており、老人班と呼ばれるこのAβが凝集した不溶性の線維(フィブリル)が脳全体に蓄積することから、健全な神経細胞を変性させ、脳の働きを低下させるとする「アミロイド仮説」によって説明されてきました。しかしながら、最近ではアミロイドβの凝集過程の中間体である可溶性のAβオリゴマーが神経細胞間のシナプスに強い障害作用があることから、Aβオリゴマーによって認知機能が低下し認知症が発症する「オリゴマー仮説」が有力となってきています。
 認知症治療薬の国内市場規模は2022 年には2,000 億円を超えるとの見込みですが、アルツハイマー病には、対症療法として進行を抑制する抗コリンエステラーゼ阻害薬が用いられており、現在、根治できる薬物療法はないことから、新規の有効な治療薬の開発が待たれています。

APPOSKマウス
※2 TAU
TAU は中枢神経系に多量に存在し、脳内の神経軸索輸送に重要な働きを担っています。TAU タンパク質の異常は、アルツハイマーや前頭側頭葉変性症を引き起こされることが報告されています。

※3 神経原線維変化
神経原線維変化は、過剰にリン酸化したTAU タンパク質が蓄積し、線維化して沈着したものです。アルツハイマー病等で観察されます。

詳細につきましては、添付資料をご参照ください。
アルツハイマー病モデルマウスに関するライセンス契約締結のお知らせpdf

以上